僕がシュリーマンになるまで(仮)

How I become a multilingual millionaire

銀座百景000:はじめに

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「銀座は不思議なところだと思った。銀座はもはや昔の銀座ではない。昔日の銀座の魅力といったものを具体的に構成していたものは、もはや何もない。残っているのは単に道路だけだ。汚い、うすよごれた道路だけだ。しかもなお若い男女が銀座を慕ってやってきている。若い男女の華やいだ遊び場所として依然として銀座が選ばれている。もうそんな華やいだ場所ではないのに、--遊び場所としてはどこだっていいのに--もはやどことも変わりのない銀座だのに--しかもなお銀座が選ばれている。
 銀座は滅びないと思われた。昔の夢を追って、昔の華やかさを夢みてここへ来るのかも知れないが、昔の夢は失われていてもやはり銀座には何かあるにちがいない。」

                 高見順「敗戦日記」1945年1月14日  

 

 僕は学生時代東京にいたけど、銀座という街には正直言って縁がなかった。そもそもがファッションに興味がなかったし、なんだか大人の街という印象で歩く度に気後れがするので、わざわざ銀座に来てブラブラしようとも思わなかった。

 唯一かすったぐらいに縁があったのが、当時中学生だった弟が高校入試に合格したので、お祝いに東京に連れてきて山野楽器のPATAライブに送り込んだ時。シルバーのレスポールを持ち込んであわよくばサインをもらおうとしたらしいけど、なかなか難しかったらしい。その時に、銀座駅の地下道で迷いながら「もう俺も東京に何年かいるのに、全然こういう地下道は歩きなれないな」と思ったことを強く覚えている。(そしてその地下道を今ではほぼ毎日に近いくらい歩いているという。。)

 前の会社に入って、ちょうど5年間銀座に通った。楽しいことも辛いことも色々あったけど、でも結構楽しいことばかりあったような気もする。外国のエンジニアを接待する店は大体お決まりの老舗が多かった。時々、昼休みに営業チームのおごりで近くのレストランに行くこともあったし、後半の2年くらいはむしろ積極的に新しい店を開拓しようとしていた。

 僕は銀座が好きだと思う。週末だったら多分朝から夜までずっと居れる。

この「銀座百景」コーナーでは、割と適当な銀座に関する雑文を書いていきたい。