僕がシュリーマンになるまで(仮)

How I become a multilingual millionaire

小説:Death and the Flower(仮題)

小説第4章18

Raffles Placeのオフィスに久しぶりに帰ってきた。 いつもの守衛にいつものように挨拶をするが、やはりいつものようにはいかない。エレベーターのドアが閉まると、すぐに押さえつけられるような下向きの重力を感じ、やがてオフィスの入り口に到着する。1週間…

小説第4章

白銀色の、凄絶な-という表現が一番しっくりくる-輝きを放つ月が、夜半過ぎのハン川の真上にゆっくりとかかろうとしていた。有馬と須藤と三木の三人は、川面から上る熱気で対岸にくゆる日系ブランドのネオンサインを横に見ながら、寝苦しい夜を涼みにやっ…

小説第1章01

第1章 始まり 東北の冬は得てして気まぐれである。 その日の朝、15分間の乗車を終えた有馬哲郎が東北新幹線を降り福島駅を出ると、駅前広場は辺り一面の銀世界と化していた。少し前に郡山に降った雪はもうすっかり溶けてしまい、ここ数日は透き通った冬の青…

小説第0章

Death and the Flower(仮題) 「どんなにつらくても ぼくはやめないぞ、 きっとこらえるぞ と、 かま猫は泣きながら にぎりこぶしを 握りました。」 宮沢賢治「猫の事務所」より ※この作品はフィクションであり、 実在する人物・地名・団体とは一切関係ありま…