僕がシュリーマンになるまで(仮)

How I become a multilingual millionaire

雑感。

年明けに「日本人への遺言」なるシリーズを書こうとして色々書き始めて、ある程度書いたところで嫌になって止めてしまった。神ならぬ身であり不完全な存在である以上、それが国であれ人であれ、必ず何らかの癖や弱みは存在する。その「無意識な癖」を日本語…

銀座百景002:銀座凬月堂(銀座6-6-1)

僕の職場は8丁目の並木通りにあったので、僕の通勤路は自然と並木通りになった。朝から階段を登るのがなんとも物憂いので、自然と足は銀座エルメスビルに向かう。ここだと上りのエスカレーターがあるので、乗っていればソニービル裏、エルメスの裏口に出る。…

小説第4章11

三人はそれぞれ担当の刑事とともに食堂に移り、それぞれ座席を取り警察からの聴取が始まった。有馬を担当したのは色の黒い、動作の機敏ないかにも刑事然としたベトナム人だった。最初に有馬の名前と住所、ベトナムに入国してからフエに着くまでの経緯、今回…

小説第4章10

有馬はロビーに戻る螺旋階段を、来たときよりもやや乱暴に下りていった。下では田中が待ちくたびれたように腕を組んで立っていたが、有馬の姿を認めると訝しげな目を向けた。「どうしたの、何か起きたの?さっき須藤君がホテルの人に呼ばれてそっちに向かっ…

小説第5章02

8 Battery Roadに久しぶりに帰ってきた。いつもの守衛にいつものように挨拶をする。エレベーターのドアが閉まると、すぐに押さえつけられるような下向きの重力を感じ、やがてオフィスの入り口に到着する。1週間ぶりの職場は、何も変わっていないように思えた…

小説第4章09

あの日の朝。有馬はこの日起きたことを今でも忘れることが出来ない。 4人のメコン東西回廊走破出張は三日目に突入しようとしていた。昨日遅くまでバーで飲み過ごしてしまったので、若干頭が重く感じるが、特に体調に変化もなく普通の目覚めだった。朝は8時半…

小説第4章08

途中、若いローカルの女の子が4人、すれ違いざまにどこか媚びた笑いを含ませた視線を有馬達に向けた。不意を突かれた有馬は、思わず微笑み返してしまったが、どうやら他の二人も似たようなものだったらしい。すれ違って少し経ってから、後ろから何か声が聞…

小説第4章07

白銀色の、凄絶な-という表現が一番しっくりくる-輝きを放つ月が、夜半過ぎのハン川の真上にゆっくりとかかろうとしていた。有馬と須藤と三木の三人は、川面から上る熱気で対岸にくゆる日系ブランドのネオンサインを横に見ながら、寝苦しい夜を涼みにやっ…

小説第1章05

話を聞いて、思わぬ評価に少し期待を持ってしまった有馬は、しかしその後の牽制でどうも肩すかしを喰らったような思いがしたが、まあ佐久間の言うことももっともなことなので、とりあえず面接自体は受けるだけ受けておくことにした。どうせ受からないなら、…

2017年もそろそろ終わり。

僕は毎年この時期体調が悪い。いくつか考えられるのは: ・冬が近くなると日にあたる時間が短くなる ・寒さに体がついていかない ・全般的に食いすぎ(寒いと炭水化物がほしくなる) ・クリスマスやら誕生日やらが近づいてくる(冥土への一里塚!) ・年末年…

小説第1章04

それはさかのぼること2ヶ月前のこと、やはり有馬は今回同様、突然ブースの前に立った佐久間に「ちょっといいかね」をやられたのだった。そのままブース前の椅子に座った彼は、有馬に向かって唐突に世間話を始めた。「有馬君、最近仕事の調子はどうかね。」突…

バンコクメモ 171102

11/2(木) 毎日起きるのが遅い。緊張感がなくなっている証拠だ。 昨日一日割と大冒険だったので、今日は大人しく過ごす。つまりまたサイアム。二度目のMBK訪問、上から下まで隈なく見て回る。僕らはレザー物を主として見て回ったけど、MBKにあるのはどうも安…

バンコクメモ 171101

11/1(水) 「せっかくここまで来たのに食べてばかりいる」とのお叱りで、今日は観光することに。まずは歩いて宿舎近くのジム・トンプソンハウスに行く。バンコクには何度も来ているのに、なぜかここはあまりにベタな観光地過ぎて来たことがない。ツアー時間を…

バンコクメモ171031

10/31(火) 到着した次の日に無理をするとまず全体の行程に響く。よって今日は一日ショッピングと美食Dayとする。寄る年波には勝てないのである。 まず8年ぶりのセントラルワールド訪問。サイアム乗換、緑線のChit Lom駅。セントラルワールド内はそれほど変わ…

171030 バンコクメモ

10/30(月) 14:15着陸、やや旋回。 ス空港は8年前と大きく変わらず、平日午後でもあり入国審査もあっけないもの。着陸後シンガSimをアクティベートしたらすぐ4Gにつながる。これで1カ月1GBS$10とは恐れ入る。 スーツケース回収後Nothing to declareは出口狭く…

銀座百景001:数寄屋橋交差点

僕にとって銀座の起点は数寄屋橋交差点だ。 この交差点は特に桜の時期が素晴らしい。都心でも他の場所と若干気象条件が違うらしく、どちらかというと靖国や千鳥ヶ淵のような王道の見どころに比べ、やや遅れ気味に桜が開花する。 桜脇の交番はきちんとスクラ…

銀座百景000:はじめに

「銀座は不思議なところだと思った。銀座はもはや昔の銀座ではない。昔日の銀座の魅力といったものを具体的に構成していたものは、もはや何もない。残っているのは単に道路だけだ。汚い、うすよごれた道路だけだ。しかもなお若い男女が銀座を慕ってやってき…

小説第1章03

有馬は自席に戻っていく佐久間の後ろ姿を追いかけながら、はて、何か呼び出されるようなことをやらかしたかなと不安になった。この事務所に入って1年、有馬が佐久間とまともに言葉を交わしたことは数えるくらいしかない。無表情は彼の常ではあったが、職場の…

中国語000:僕の中国語学習遍歴

僕が中国語を勉強しようと思ったきっかけは、県庁に入った最初の年に遡る。当時、人事課主催で庁内職員を対象に「中国語講座」が開催されていた。毎週水曜日の夕方から、国際課に中国武漢省から国際交流員(CIR)としてJETプログラム経由で配属されている先…

小説第1章02

通常なら、業務開始からしばらく経ち朝9時を過ぎた頃にようやく有馬の机の前に何名かの来訪者が列を作り始める。建設事務所の行政課は、簡単に言うと各種の許認可手続きの窓口であり、道路や河川敷の使用許可や、建設業の認可を求める建設会社や行政書士、あ…

小説第1章01

第1章 始まり 東北の冬は得てして気まぐれである。 その日の朝、15分間の乗車を終えた有馬哲郎が東北新幹線を降り福島駅を出ると、駅前広場は辺り一面の銀世界と化していた。少し前に郡山に降った雪はもうすっかり溶けてしまい、ここ数日は透き通った冬の青…

小説第0章

Death and the Flower(仮題) 「どんなにつらくても ぼくはやめないぞ、 きっとこらえるぞ と、 かま猫は泣きながら にぎりこぶしを 握りました。」 宮沢賢治「猫の事務所」より ※この作品はフィクションであり、 実在する人物・地名・団体とは一切関係ありま…

雇われることから自営へ。

前の仕事を辞めてから2か月近く経つ中、色々次に向けて種をまく日々を送っているわけですが、つくづく思うのは、雇用されてする仕事と、自営業として自分を食わせる仕事は質も中身も全然違うということ。 なんというか、使う筋肉が違うというか、無駄であっ…

170823読書メモ

1 ストーリーとしての競争戦略 : 優れた戦略の条件 / 楠木建 著. 2010 →結構大部だが(500ページ超)なんとか目を通した。戦略=ストーリー=儲け話、戦略とは要するに「違いを作ってつなげること」。よってつながりが重要になってくる。小倉昌男経営学、三…

170821読書録

今日読んだ本を簡単にレビュー: 1 『PULL』の哲学 : 時代はプッシュからプルへ-成功のカギは「引く力」にあ ジョン・ヘーゲル3世, ジョン・シーリー・ブラウン, ラング・デイヴソン 2011 →PullとPush,Edgeとセレンディピティの対比。既存企業はPushのカテゴ…

JMC最後の日々

辞めることはもう伝えた。後に戻ることはない。 9時に職場に出れば、もう10時前にはメール配りは終わる。10時を過ぎると同僚二人が出勤してくる。上司は長期出張で出ずっぱり。もうこんな日々が続くのもあとわずかだ。 「会長」はもう僕が辞めることは知って…

再度退社宣言、そして独立前夜。

6月末に退職を申し出た。さすがに前回1月に色々慰留された経緯もあり、ほとんど何の障害もなく退職届が受理された。もうこれで後戻りは出来ない。 1週間のまとまった時間を作ったので、シンガポールに帰ってきた。会社の登記やら、色々と先のことを見据えた…

メーカー訪問

今日は朝からメーカー訪問。ホテルにお願いしてタクシーを呼んでもらい、インド音楽をBGMにひた走ること45分でようやく到着。 メーカー担当者は中国語に堪能なアメリカ人のアジアセールスマネージャーで、日本的な「儀礼訪問」をよく理解してくれているので…

ミネアポリス着

前回の投稿からだいぶ間が空いて、今年1発目のアメリカ出張 in Minneapolis。今回は行程上MNPが起点になるので、羽田からデルタ直行便で飛ぶことにしました。意外と早く、10時間ちょいで到着することに(隣の足長おじさんの不法侵入によりあんま眠れなかった…

ついに退社宣言、しかし撃沈

本当は冬ボーナスが出た直後にやるはずだった退社宣言を昨日敢行。直属の上司と総務課長にとりあえず伝えました。 とりあえずもう後には引けないので頑張るしかないです!ファイト。 よくやった俺。 →その後撤回しました。いやはや。。